平成30年4月│改正情報について

平成30年4月 改正情報について

平成30年4月改正に関する様々な情報を掲載します。
このページの情報は厚生労働省からの通知等を元に掲載しております。掲載時点での情報となり、予告なく解釈等が変更になる可能性がありますので、ご了承ください。

■有床義歯に関する通知に変更があります


・前回の作製から6ヶ月以内の再作製が認められるケースについて、一部変更がありました。

■全身的な疾患を有する患者に対する歯科治療時の管理について見直しがありました


・歯科治療総合医療管理料(Ⅰ)、在宅患者歯科治療総合医療管理料(Ⅰ)が廃止になりました。
・歯管の加算として、総合医療管理加算(50点)が新設されました。
・歯科治療総合医療管理料(Ⅱ)の名称が、歯科治療時医療管理料に変更されました。
・在宅患者歯科治療総合医療管理料(Ⅱ)の名称が、在宅患者歯科治療時医療管理料に変更されました。
・総合医療管理加算と歯科治療時医療管理料の対象となる全身疾患が変更になりました。


※施設基準の届出が必要(平成30年3月までに「医管」の届出を行っている場合は、新たな届出は不要)

■医学管理の新設があります(一部抜粋)


・診療情報連携共有料(120点)が新設されました。

「診療情報提供依頼書」

※様式見本

・歯管に対する加算として、小児口腔機能管理加算(100点)が新設されました。[対象疾患:口腔機能発達不全症]

「口腔機能発達不全症 指導・管理記録簿」

※日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」より

・歯管に対する加算として、口腔機能管理加算(100点)が新設されました。[対象疾患:口腔機能低下症]

「口腔機能低下症 管理指導記録簿」

※日本歯科医学会「口腔機能低下症に関する基本的な考え方」より

 

■検査項目の新設・変更があります(一部抜粋)


・咀嚼能力検査(140点)が新設されました。 ※施設基準の届出が必要

・咬合圧検査(130点)が新設されました。 ※施設基準の届出が必要

・舌圧検査(140点)の算定要件が変わりました。

 

■算定要件の変更があります(一部抜粋)


・暫間固定(TFix)の算定要件が変わりました。


・機械的歯面清掃処置(歯清)の算定要件が変わりました。

・算定対象が、「歯周疾患に罹患している患者」から「歯科疾患に罹患している患者」に拡大されました。・歯科診療特別対応加算を算定している患者および妊婦に対して、月1回算定できることになりました。 ・SPTを開始した日以降は、歯清が算定できなくなりました。

・咬合調整(咬調)の算定要件が変わりました。

・義歯の新製または修理において鉤歯とその対合歯をレスト製作のために削合した場合の咬調は、これまで同初診内に1回限りの算定でしたが、新製または修理の実施につき1回算定できることになりました。ただし、2回目以降の修理の咬調は、前回の算定から3ヶ月以内は算定できません。

・感染根管処置(感根処)の算定要件が変わりました。

・前回の感根処に係る歯冠修復が完了した日から6ヶ月以上経過している場合、再度の感根処の算定が可能となりました。(加圧根充を行っている場合に限定)

・フッ化物歯面塗布処置(F局)の算定要件が変わりました。

・エナメル質初期う蝕に罹患している患者に対するF局について、2回目以降のF局算定時は、口腔内カラー写真に代えて、光学式う蝕検出装置によるエナメル質初期う蝕の部位の測定でも差し支えないことになりました。この場合は使用した光学式う蝕検出装置の名称と検査結果をカルテに記載する必要があります。

・クラウン・ブリッジ維持管理料(補管)の算定要件が変わりました。

・後続永久歯が先天的に欠如している乳歯に対する歯冠修復については、補管が算定できることになりました。・金属アレルギー患者に対するCAD/CAM冠、HJC、高強度硬質レジンブリッジ等の装着時は、補管が算定できません。

・支台築造の算定要件が変わりました。

・支台築造の対象となる「実質欠損の大きい失活歯」について、FMC、前装冠、4/5冠、3/4冠による歯冠修復を行うもの、との具体的な内容が示されました。これにより、4/5冠および3/4冠を装着予定の歯牙に対しても支台築造が算定できることになりました。(メタルコア加算の算定も可能) ・後続永久歯が先天的に欠如している乳歯に対してFMC、HJCを装着する場合に加え、前装冠を装着する場合においても支台築造の算定が可能となりました。

 

■施設基準の届出に関する経過措置があります

・初診料の注1(院内感染防止対策)、外来環、か強診、歯援診の届出については経過措置期間が設けられています。

経過措置期間

■レーザーを使用した場合の点数が新設されました


・口腔粘膜処置(30点)が新設されました。 ※施設基準の届出が必要

・レーザー機器加算(50点・100点・200点)が新設されました。 ※施設基準の届出が必要

 

■特定薬剤・麻酔の計算方法が変わります


・特定薬剤や麻酔の点数が、他の薬剤料と同じ計算方法での算出に変わりました。

 

■床副子が「口腔内装置」の名称に変わります

・顎関節症や歯ぎしり等の床副子が「口腔内装置」に統一され、使用する材料によって点数が分かれました。

表

■材料項目の新設・変更があります(一部抜粋)


・臼歯部1歯中間欠損に対する高強度硬質レジンを用いた3ユニットブリッジが保険適用となります。

5番欠損に対して4番および6番を支台歯とするブリッジ(上下左右すべての7番が残存し、左右の咬合支持が確保されている場合)に対し、高強度硬質レジンを用いたブリッジが算定できます。原則的に失活歯が対象となります。 ※金属アレルギーを有する患者における臼歯部の1歯中間欠損のブリッジも適用可。 【算定例】 「④5⑥ MT(Br),「46 C3処置歯 --1日目---------------------------------------------------------------------------------------------  「46   失活歯歯冠形成(高強度硬質レジンブリッジ) 636点×2 ※基本料166点+加算470点     ブリッジ支台歯形成加算 20点×2  「④5⑥ 補綴時診断料 90点×1     印象採得(Br5歯以下) 282点×1     咬合採得(Br5歯以下) 76点×1     リテイナー   100点×1     仮着セメント   4点×2 --2日目---------------------------------------------------------------------------------------------  「④5⑥ 高強度硬質レジンブリッジ 4100点×1 ※基本料2500点+材料料1600点      Br装着料(Br5歯以下)   150点×1     装着料加算(高強度硬質レジンブリッジ) 90点×1     クラウン・ブリッジ維持管理料(Br5歯以下)330点×1    接着性レジンセメント    17点×2

・セメント、充填材料が練和方法の種類に応じて細分化されます。 ※点数に変更はありません

<現行><改定後> ・接着性レジンセメント ↓ ・接着性レジンセメント(標準型) ・接着性レジンセメント(自動練和型) ・グラスアイオノマー系レジンセメント      ↓ ・グラスアイオノマー系レジンセメント(標準型) ・グラスアイオノマー系レジンセメント(自動練和型) ・光重合CR(アイオノマー系) ↓    ・光重合CR(アイオノマー系)(標準型) ・光重合CR(アイオノマー系)(自動練和型) ※標準型=材料を練和紙に出して手練りして使用するタイプ ※自動練和型=シリンジ等から練和済みの材料を出してそのまま使用するタイプ

 

■訪問診療の内容が変わります(一部抜粋)


・歯科訪問診療料の点数が変わります。

歯科訪問診療料1(同一建物居住者が1人の場合)866点→1036点 歯科訪問診療料2(同一建物居住者が2~9人の場合) 283点→338点 歯科訪問診療料3(同一建物居住者が10人以上の場合)120点→175点 ※診療時間が20分未満の場合、それぞれの所定点数の70/100の点数での算定となります。

・訪問歯科衛生指導料の算定方法が変わります。

訪問歯科衛生指導料 複雑なもの 360点 〃       簡単なもの 120点 ↓ 訪問歯科衛生指導料(単一建物居住者が1人の場合) 360点 〃      (単一建物居住者が2~9人の場合) 328点 〃      (単一建物居住者が10人以上の場合)300点

・歯科訪問診療移行加算が新設されます。

外来で歯科診療を行っていた患者が訪問診療に移行した場合、歯科訪問診療料1に対する加算として、「か強診」届出有りの場合150点、「か強診」届出無しの場合 100点が算定できます。

・在宅患者等急性歯科疾患対応加算が廃止になります。

訪問診療において電気エンジンやタービンを携行した場合の、在宅患者等急性歯科疾患対応加算(170点・55点)が廃止になりました。

 

今回の改定により、訪問歯科衛生指導料が「単一建物居住者」の人数に応じた算定に変わりました。 歯科衛生士が衛生指導を行った際は、月単位で同じ建物内の患者(単一建物居住者)の人数に応じた訪問歯科衛生指導料の各点数を算定します。 歯科訪問診療料は、従来どおり日単位で同じ建物内の患者(同一建物居住者)の人数に応じて算定します。 ・ 同一建物居住者 … 同じ建物内で同一日に歯科診療等を行った患者のこと ・ 単一建物居住者 … 同じ建物内で同一月に歯科診療等を行った患者のこと

■点数が上がります(一部抜粋)

   歯科での診療報酬改定率+0.69%

・初診料、再診料…3点アップ ※施設基準の届出が必要
施設基準の届出を行っていない歯科医院については、初診料 226点、再診料 41点に減算されます。経過措置により、平成30年9月30日までは改定前の点数(初診料 234点、再診料 45点)での算定となります。
・除去(簡単なもの・困難なもの)…4点アップ、除去(著しく困難なもの)…6点アップ
・感根処…6点アップ
・スケーリング…2点アップ
・抜歯(前歯・臼歯)…5点アップ
・歯リハ1…4点アップ
・印象、BT…2点アップ

 

■点数が新設されます(一部抜粋)


・軟質材料を用いたリベースに対する歯科技工加算(50点・30点)が新設されます。※施設基準の届出が必要

義歯を預かり、軟質材料を用いたリベースを行って当日に当該義歯を装着した場合、リベースに対する加算として歯科技工加算1(50点)が算定できます。翌日に当該義歯を装着した場合は、リベースに対する加算として歯科技工加算2(30点)が算定できます。

・歯管に対する総合医療管理加算(50点)が新設されます。※施設基準の届出が必要

別の保険医療機関から歯科治療における総合的医療管理が必要な患者であるとして文書による情報提供を受け、その患者に対して必要な管理や療養上の指導を行った場合は、歯管に対する加算として総合医療管理加算(50点)が算定できます。 [対象疾患] 糖尿病、骨吸収抑制薬服用患者、感染性心内膜炎のハイリスク患者、関節リウマチ、血液凝固阻止剤投与中の患者

・歯管に対する小児口腔機能管理加算(100点)、口腔機能管理加算(100点)が新設されます。

口腔機能の発達不全がある15歳未満の患者に対し、患者等の同意を得て口腔機能評価に基づく管理計画を作成し、療養上必要な指導を行った場合は、歯管に対する加算として小児口腔機能管理加算(100点)が算定できます。 口腔機能の低下がみられる患者に対し、患者等の同意を得て口腔機能評価に基づく管理計画を作成し、療養上必要な指導を行った場合は、歯管に対する加算として口腔機能管理加算(100点)が算定できます。